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広報誌gain

コンディションについて考える

ワールド・カップ前に各国が代表選手を集めて強化合宿や親善試合を行っていた時から、主力選手のケガが連日のように報道されています。この大会が各国リーグ戦のオフの間に行われるということを考えると納得する部分もあるのですがそれにしてもケガ人の多さに驚かされます。

スポーツ選手は皆多かれ少なかれケガを抱えています。フィジカルコンタクトの多いサッカー選手には特にその傾向が強く現れています。もはや彼らには「好調」と言うものがないのかもしれません。少なくとも年間を通じてケガも疲労もなく安定した状態というのは限られた期間だけなのではないでしょうか。

それでも彼らは試合に出場し高いパフォーマンスを発揮しています。彼らはどのようにトレーニングを行っているのでしょうか。

「スポーツ選手はいつも鍛えてるんじゃないの?」確かに彼らは日々のトレーニングを欠かしません。しかし「トレーニング=鍛える、体力を向上させる」と考えると少し違うのではないでしょうか。

プロ野球選手は自主トレ、キャンプ、オープン戦を経てシーズンを迎えます。自主トレではたくさん走ったり筋トレをしたりして基礎体力の向上を目指します。長いシーズンを持ちこたえる体力を養うと言えば分かりやすいでしょうか。続くキャンプでは実戦形式の練習で体力の向上を図りつつ個人の技術やチームとして野球が出来る状態を作ってゆきます。そしてオープン戦で全てを仕上げてチームの完成度を高めてゆきます。つまり、特定の期間に特定の目標を設定してトレーニングを行い、シーズンが始まるとトレーニングは試合に臨むためにコンディションを整えるものに変わってゆくのです。

このようなトレーニングの進め方をコンディショニングなどと呼びますが、もともとはアスリートが目標とする試合やシーズンで高いパフォーマンスを発揮する為、計画的にトレーニングを行ったり生活を送ったりすることを指しています。しかし、実際は特別なことではなく私たちも何気なく行っていることなのです。

 例えば、疲れを感じたときに体を休めたり、あるいは逆に意識的に軽く汗を流したりします。自分の体調に合わせて活動の量や強度を選択するのですが、これがコンディショニングなのです。また身体活動に限らず、アレルギーが出てくる時期に合わせてサプリメントを摂取したり薬を飲んだりすることもコンディショニングに含まれるかもしれません。いずれにしても、自分の体調を整えるためにあるいは自分で「体調が好い」と感じるために意識的に何かをすることがコンディショニングだと考えることが出来ます。

 インターネットや携帯電話が普及して、私たちの生活はますます忙しくなってきました。生活が不規則になったり、1日中ストレスを感じたりしている人もいるでしょう。また、休みの日でもなんとなく休んだ気がしない、休みたいけれど休みが取れないという人もいるでしょう。慢性疲労症候群や自律神経失調症、うつ病などストレスに起因する症状が世の中に多く見受けられます。「24時間戦えますか?」というどこかで聞いたようなフレーズが冗談ではなくなってきたのかもしれません。

そんな状況の中、流れに身を任せて「疲れた」を連発するよりも、自分の体が発する声に耳を傾け自らの体調を積極的にコントロールすることを考えてみましょう。

休日に休んだ気がしないという人は「休む」ということと「活動しない」ということを混同しているのではないでしょうか。スポーツの世界では完全休養と積極的休養とがあります。少しでも体を動かして疲労の回復に努めるのが積極的休養です。5分か10分のウォーキング、あるいはお風呂上りのストレッチでもいいでしょう。汗をかいたかどうかは問題ではありません。ストレスを感じることから少しでも離れる時間を作ることが大切です。その時間があなたのコンディショニングの第一歩なのです。

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