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広報誌gain

ダイエットについて

食事面から考えるダイエットとは

食事の面からダイエットを考えた時、それは「食べるか食べないか」の選択ではないかと思うのは私だけでしょうか。例えば、ある特定の食品だけを食べ続ける「単品ダイエット」などはその最たるものでしょう。

 また、半年くらい前に話題になった「記録を取るダイエット法」は、成人が1日に必要とするカロリーに対して「余計なものを食べない」習慣を目指すものです。

 確かに、太るか太らないかは摂取カロリーと消費カロリーのバランスによるのでダイエットが全てカロリーを基準に考えられているのは当然と言えば当然です。しかし、だからと言って「食べなければ痩せる」とか「痩せるために食べない」などという考えが危険な側面を持つことは皆さんも認識されているでしょう。

 カロリーは数値化されているので単純で分かりやすい面がありますが、食事の目的を考えた時、カロリーだけを基準にすると足りないものがあるのです。

なぜ食べるのか

私たちはなぜ食べるのでしょうか。それは「生きるため」に他なりません。「生きる」ためには体内にある個々の細胞を維持しなければなりません。「細胞を維持する」と言っても個体としての細胞そのものを維持すること、細胞が活動し続けるようにすること、そのために体内の環境を維持することなどいくつかの側面があります。

例えば筋肉の細胞を維持するためにはタンパク質が、骨を維持するためにはカルシウムが必要です。また細胞が活動を続けるにはエネルギーとなる糖質や脂肪が必要です。

つまり私たちが摂る食事は「生きるために必要な栄養素を摂取する」のが目的です。そんなことは今さら言うまでもないことなのですが、これがいざダイエットとなるとやはり「食べるか食べないか」になってしまいます。それはなぜでしょうか。そこには「何をどれくらい食べるか」という情報が不足しているからだと考えられます。

食事の「バランス」とは

バランスの良い食事とは「すべての栄養素を均等に同じ量食べる」という意味ではありません。米国農務省のフードガイドピラミッドによれば、食事全体の中でどのような食品をどれくらいの割合で摂るかはおおよそ図1のようになります。

例えば1単位を40グラムとすると、米6単位なら240グラム、野菜4単位なら160グラム、果物3単位なら120グラムとなり、ほぼ1回の食事量に相当します。

バランスの良い食事とはこの割合を守った食事を指します。したがって、特定の食品だけを食べたり、反対に特定の食品を排除したりするような食事がこのバランスを崩していることはお分かりいただけると思います。


食品ピラミット

具体的な食品で考える

このピラミッドをもとに自分の食事を見直したとき、「う〜ん、良く分からないなぁ」という人もいるのではないでしょうか。そんな人はまず摂取する食品の数を増やすことを考えてみましょう。一般に1日で30品目というのが目安ですが、これを3食に分けると1食で10品目になります。

主食にご飯(米)を食べる人は味噌汁を付けます。具はわかめと何か1〜2品目(たとえば里芋、玉ねぎなど)入れてください。おかずは朝食に卵、昼食に肉、夕食に魚を食べれば3食ともタンパク質を摂ることが出来ます。野菜は緑黄色野菜(色の付いた野菜)と淡色野菜から2〜3品ずつ入れましょう。緑黄色野菜なら人参、ピーマン、キャベツ、カボチャ、トマト、淡色野菜ならもやし、大根、などはいかがですか。さぁ、これで10品目揃いました。さらに牛乳やチーズと言った乳製品と食後のデザート(果物)を加えれば言うことなしです。

>このようにバランスを整えた上で全体の総量を減らすのが上手にダイエットするための食事の摂り方と言えるのではないでしょうか。

冒頭で「ダイエットとは食べるか食べないかの選択では?」という話をしました。これは私の主観ですが、実際にはこれに「好きなものを」をくっつけて、「好きなものを食べるか食べないかの選択」をダイエットと呼んでいるのではないかと思うのです。「ダイエット中だから甘いものは食べない」とか、「アイスクリームを食べたから今日の夕食は軽くする」などといった具合です。

食事には「食欲を満たす」という側面があるので「食べたい物を食べる」ことはあるでしょう。しかし、その目的は「好きなものを食べること」ではありません。もし、「食べたい物=体が欲しがっている物」と考えて好きなものばかり食べていたらとんでもなく偏った食事になるでしょう。

とはいえ、何かを我慢するのは誰もがつらいことですし、普段から好んで食べているものを全くやめるとなれば大きなストレスを感じます。こうしたストレスが何かを継続することを困難にします。それが、わずかでも「食べて良い」となればストレスも軽減するのではないでしょうか。

食事は生活習慣の一部ですから、いきなり全て変えるのは大きなストレスになります。また、変えたものを長く続けて新たな習慣とする必要があればやはりストレスは少ないほうが望ましいでしょう。

「生きるために必要な栄養を摂る」ことが食事の目的です。つまり「食べるために生きる」のではなく、「生きるために食べる」のです。だからこそ「何をどれくらい」という視点が大切なのではないでしょうか。

これからは食品の摂取量や、食事全体に占める割合を意識して食べてみて下さい。きっと食べることにもっともっと興味がわいて食事が「科学的」になるでしょう。

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